「上司に受けるように言われてきました」つまり、受講する本人には目的がないのです。
目的のないまま一日過ごすのはつらいことだと思います。
しかし、もっとつらいのは、決して安くはない受講料を支払って、技術者を送り込んだ企業だと思います。
送り込んだ側は、受講後のフィードバックを期待しています。
仮に無料のセミナーだとしても、そのセミナーに参加している時間にも技術者に対する費用は企業に発生しているわけですから、送り込んだ企業からすれば無料ではないわけです。
受け身な受講生は、目的を持った受講生と比べて理解力が格段に低くなります。
また、そもそも目的がなく、上司に言われて仕方なく受講しにきただけなので、「別に理解できなくてもいい」と考える技術者もいて、たった一日のトレーニングでも結果がずいぶん違ってしまいます。
企業と技術者本人の両方が不幸であるといえます。
価値判断の基準が偏る危険能動的に見える忙しい技術者は、別の形で問題が発生します。
忙しい技術者は、有能で仕事が速いことが多いです。
しかし、次々降りかかる仕事をさ、はいているだけであったとすると、長期的には深刻な問題が起きます。
それは、「価値判断の基準が業務の基準と同じになる」ことです。
つまり、視野が狭くなるという問題が生じます。
現在の業務に適用できるかどうか、ということを技術の選択基準においてしまうのです。
その結果、技術の方向性を測るのに偏見が混じり、業界の方向性とずれていく可能性が生じます。
価値観を企業の価値観と一致させるのはかまいませんが、一心同体になってしまうのは危険です。
技術者は、仕事をした対価を企業に支払ってもらう立場なのであって、奉公人ではありません。
どんなに長くとも定年になれば、「あとは自分の人生を歩きなさい」と言われるのです。
そのときに、企業の価値観しか持っていなかったとしたら、残りの人生をどう過ごしていくのでしょうか。
伸びる人は、業界レベルでの視野を常に持っています。
また、業界におけるポジショニングが上手です。
企業に長く勤めていても、常に業界の視点から企業のポジション、自分のポジションを定めています。
したがって、伸びる人はどんなに忙しい状態であっても、業界の方向性を見据えたうえで技術選択ができ、現在の業務に直接適用できない技術であっても、時間を作って自分のものとする努力を惜しみません。
自分のスキルやポジションに対する長期目標を置いているからです。
伸びる人は、「今日は、これとこれをやろう」と、長期目標に合致した今日の計画を抱えて、毎日会社に向かっています。
階級闘争A「今度のプロジェクトでは、Xさんに設計のリーダーになってもらって、全体をみてもらうといいね。
この分野は得意だし」B「いや、社歴の長いYさんをXさんの下につけるのはまずい。
リーダーはYさんだ」A「Yさんに設計のリーダーは無理だよ」B「大丈夫だろう。
年上なんだから」適材適所より年功序列?技術者のスキルを測るときに、何を基準においていますか?プロジェクトメンバーの配置基準は何ですか?。
これらの基準に「年齢」や「勤続年数」をおいているとしたら、素養ある伸びる人を潰しているかもしれません。
客観的に見て明らかに適任だと考えられる人が、適した責務を担っていないプロジェクトがあります。
よく聞いてみると、プロジェクトメンバーの誰もがその事実を認識しているのですが、ある理由によって変えることはできないと言います。
ある理由というのは「年が下だから」。
適材適所ができるにもかかわらず、しないというのは、プロジェクトにとって大きな損失です。
年功序列をプロジェクトメンバーの配置に単純に適用させることは、プロジェクトの成功を軽くみていることになります。
優れた年下の技術者に対して、どう感じ、どのように接しているでしょうか?「年が下なのだから、どっちにせよ自分よりは下のものだ。
自分のほうが、経験があるから上だ」と考えている技術者がいたとしたら、その人は技術の幅と深みを伸ばす機会を放棄していることになります。
「いい技術者だから、互いに議論できるよう専門分野について詳しく聞いてみよう」と考えている技術者は、将来にわたって技術者のネットワークを形成し、自分の技術の幅と深みを伸ばすことができるでしょう。
伸びない人ほど年功序列が好き伸びない人は、年齢や勤続年数を絶対的基準ととらえる傾向があります。
いくら年月を経ても変わらない差なので、越えられることがなく、安心だからです。
同様の理由で、性別や国籍も基準としてとらえてしまいます。
個人的な安心感は得られますが、システム開発においては各自の強みを活かすことができないため、最初から品質に妥協を許しているのと同じです。
また、素質やスキルある技術者との議論が年齢というフィルターを通したものになるので、どうしても年長者意識で接していまい、公正な議論になりません。
その結果、技術の深みに欠けてきます。
技術は多種多様ですし、プロジェクトに必要な役割とスキルもさまざまです。
すべてをひとりで兼務することは実質的に不可能ですので、複数の技術者で幅を補うわけです。
必要なスキルを持った技術者を、年齢や経験年数だけの理由で重要なポジションにおけないとしたら、限りある自分の技術の幅でまかなうことになります。
満たさソフトウェア開発で伸びない人第2章れるのは虚栄心だけです。
システムの品質は犠牲になります。
伸びる人は「強み」を重視する伸びる人の他の技術者への接し方には、共通点があります。
最初に、「この人は何ができるのだろうか」という関心を持って接します。
その技術者の強みや専門性、関心のある分野など。
実際に手がけたシステムで使用した技術について尋ねたりもします。
その中に、自分が持っていないスキルや強みがあったら、とても嬉しく思います。
同じ分野に関心があったら、過去の経験の違いからくる視点の差で議論ができます。
お互いに情報交換が成り立っためには、自分も勉強してスキルアップしなくてはならないので、なかなか大変です。
自分の専門分野や今後手がけたいことを伝えておくと、別の技術者を紹介してくれたり、自分も他の技術者を紹介したり、ということができます。
このような活動を続けていくと、ネットワークが形成されていきます。
ネットワークが大きくなると、どの分野の問題であっても信頼できる技術者にたどりつき、問い合わせることができます。
ひとつのテーマに対して、複数の視点から議論をすることもでき、技術の幅と深みは一人で勉強をしているときとは比較にならないほど伸びていきます。
まずは素直にやってみること伸びる権利を持っている人には、共通の特徴があります。
素直にひたすら努力することです。
自分にとって未知のもの、未知の考え方であっても、まずは素直にやってみる。
まずやってみて、蹟くところについて考えていくといった、「素直にひたすら努力する人」です。
こんな単純なことなの?と思うかもしれません。
ところが現実には、素直にやってみる、という姿勢がとれない人が多いのです。
一方、伸びる権利を持っている人たちと対極にあるのが、「実際にやる前から欠点を探し出して批判する人」や、「本を読むだけで身につけられると考えている人」です。
実際に手を動かしてやってみるのは、どこか格好悪いと思っているのでしょうか。
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